男性の出産休暇および育児休業は是か非か? スイスの国民投票に垣間見える各国の事情

 このほどスイスにて、父親に2週間の有給での「出産休暇および育児休業」を法的に認めるかを問う国民投票が行われました。「へ~、今頃スイスでも…?」。欧州全般において、少子化に対する手厚い制度が完備されているのかと思いきや、各国によってお家事情が違うようです。

 特に、昨今のコロナウィルスの影響で、スイスでも経済危機は深刻でして、中には「コストが高く、不要でもある休暇を導入することは適切でない」といった反対論も飛び出しております。また伝統的な男女意識もあって、「自然の法則上、妊娠や子育ての役割は男女で異なるのは当然」といった、保守的な価値観も底流にあるようです。

 さらに、この制度を導入すると、雇用保険から産休・育休の手当が支払われるため、企業や家計の負担が増えることも、反対派を勢いづかせております。投票結果がどう出るのでしょうか。仮に賛成多数で制度が導入されても、やはり広く利用されるためには、社会全体で子育てのあり方を考え直さなければならないでしょう。

 我が国でも、かつてから育児のあり方、男女の役割のあり方についても、多くの議論が交わされてきました。今では、父親が育休を取得しても同等な賃金をもらえる日数は30.4週と、どの国に比べても、日本は突出して多いことをご存知でしょうか。

 しかし残念ながら、父親の育休取得率は、昨年度で7.48%と依然として低水準に留まっております。ここに日本社会が抱える構造的な問題点がありますので、遅れてくるスイスの動向もしっかり見極めながら、我が国自身の実効性を高めていく必要がありますね。 コロナに負けるな!