拡大する航空需要とニューノーマルの時代に合わせた取組み 日本の成長戦略になるか

 新型コロナウィルスの影響は、社会に甚大なる変化をもたらすでしょう。特に人の交わりに関しては、デジタル技術の進展と相まって、極端に抑えていっても良い面と、デジタルだけではカバーできず益々激しくなる面の、両面に分かれてくると思われます。

 多くのビジネスやミーティング、あるいは研修や授業などは、一堂に会さなくともネット上で済ますことが可能ですので、これらは激減する場面。一方、観光や人材交流では、ライフスタイルや価値観も多様化していますので、やはり現場に触れてみないと実感が湧かないといった場面が増え、二極化していくのではないでしょうか。

 そうした中、やはり後者の視点から国境を越えてとなると、その移動手段は航空機となります。ウィズコロナあるいはアフターコロナの社会でも、空の移動は不可欠でしょう。

 我が国は戦前から、飛行機技術開発については世界の最先端を走っておりました。ご案内の通り、零式艦載機(いわゆるゼロ戦)は、世界の最高傑作と言われましたし、1910年に国内初めて飛行実験が行われ以来、わずか35年間でジェット機開発にまで漕ぎつけた実績があります。

 しかし終戦後、サンフランシスコ条約によって日本が独立するまでは、当時のGHQはわが国に航空機の製造はおろか、研究開発を一切やらせない方針を貫いたのでした。日本において、自動車や鉄道、船舶などの輸送手段に関しましては、世界に冠たる技術と知名度がありながら、何故航空機だけがパッとしないのか、推して知るべしでしょう。

 しかし、ただ技術力が高まっても、マーケティングやコスト意識、あるいはセンスの良さ等、多面的な角度からこの産業を支えていかなければ、売れるものも売れるものではありません。ですからホンダや三菱など一部の企業努力に留めるのではなく、国家の成長戦略として、産・官・学を一体にした取り組みが求められます。

 そしてこうした産業の立地性を鑑みた時、やはり羽田空港付近の京浜臨海部、あるいは関空付近の阪神工業地帯には、今までもモノづくり産業が盛んにおこなわれてきました。 航空機の構成部品は300万点に及び、自動車の比ではありません。これらのエリアのモノづくり産業は下火となりつつも、まだ火種は残っておりますので、その再生を期して面的なテコ入れが不可欠だと思います。  コロナに負けるな!