電力システム改革ただいま実施中 発送電の分離によって利用者側のメリット、国民のメリット

 戦前から我が国は、国策として電力の開発および生産に携わってきました。戦後社会においても、地域を代表する電力会社に発電と送電の全てを委ねてきた経緯があります。公共料金ともいえる電気料金は果たして適正な価格なのでしょうか、これは古くて新しい問題でもありました。

 そんな国民意識の高まりや、新たなエネルギーを見出していこうという機運と相まって、今や発電と送電は分離すること、そして電力市場を形成することは、世界の潮流となっております。ようやく日本でも、この4月から発電部門と送電部門を切り離す改革がスタートしました。

 原発事故以来、固定価格買取制度が始まり、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及はスピード上げて進んできました。しかし、再生エネルギー事業者は、起こした電気を主に大手電力会社の送電網に流すことになりますので、そのコストが高くて新規参入の大きなハードルとなってきました。

 また、送電網は常に緊急用の枠を確保し、残ったところに、再生エネルギーなどの電気を割り振っております。したがって、火力や原子力が減っているときに、その枠を再生エネルギー用に開放する、といった融通が効かないことが問題視されてきました。先に容量を押さえた電力事業者に送電線を使わせるという「先着優先」ルールを見直して、いかに送電線の空きを活用できるか、改革の主眼はここにあります。

 今後、予備の回線を平時に使っていこうという動きもあります。ただ、事故時などには電力の需給バランスが崩れ、大規模停電につながるリスクも生じますので、これは慎重に見極めていかねばなりません。また相当高度な技術力も求められます。

 何より、国民生活にとって、より安価でかつ安全なエネルギーを使いたい、その要求に国自身としてどう応えていくべきでしょうか。送電網改革のみならず、地域分散型の電力供給に関しても、さらに踏み込んで地域に任せていく仕組み作りを求めていきたいと思います。 コロナに負けるな!