フードロス(食品ロス)は世界的な課題 もったいないの精神を浸透させるための社会的評価

 今や古くて新しい問題ともなりました。ここ数年、我が国1年間の食品ロス量(売れ残りや食べ残しなど、本来食べられるはずの食品が廃棄される量)は、640万トン前後で推移しております。これは何と毎日、国民一人当たり、お茶わん1杯分の食べ物が捨てられている計算になります。

 また、日本では年間8000万トン以上の食料が流通しております。その内、使われずに廃棄されてしまうものを「食品廃棄物」と言い、その量は全体の34%、約2800万トンに達します。そして、この中から魚の骨や、リンゴの芯など、食べられない部分を除いたものが、食品ロスとしてカウントされるのです。

 食品ロスが大量に出ると、様々な問題点が指摘されております。まず、人口が増え続ける世界にあって、深刻な食料不足を招くこと。そして第2に、環境負荷の課題です。日本では、食品廃棄物を焼却処分しますが、世界の多くは埋め立てです。食品を埋め立てたときに発生するメタンガスは、二酸化炭素の約25倍の温室効果があるとされ、気候変動の一因になります。そして、土壌や水質への悪影響も計り知れないでしょう。

 さらに第3に、経済的な損失が挙げられます。最終的に捨てられるものであっても、生産や流通過程において多くのコストが掛かっています。石油などから生まれるエネルギーは言うまでもなく、生産者や労働者の費やす手間暇も無駄になります。こうした無駄遣いを、極力排除せねばなりません。

 現状、食品ロス全体の55%が小売店や飲食店からでる事業系であり、残りの45%は一般家庭から出るものです。ロスを生み出す原因になっている商習慣を変革していこうという動きを、さらに加速化させていきましょう。

 既に「食品ロス推進法」がスタートしております。生産者や消費者の行動についても、食品の再利用に関してスポットが当てられていますが、まだまだ理念的です。さらに実効性を高めるため、イタリアやフランスのように税金を安くしたり、その反対で罰則を科したり、食品ロス防止への取組みに対してインセンティブを与える工夫も必要と思われます。 コロナに負けるな!