ドラッグラグの是非を問う 新型コロナウィルスワクチン開発に対する日本の医療行政

 今までも日本の医療体制において、このドラッグラグがしばしば問題視されてきました。ラグ(lag)とは、「遅れ」「ずれ」を意味し、よくタイムラグなどのように頻繁にお目見えしますが、ドラッグラグは文字通り、薬承認の遅れを指します。

 このドラッグラグに関して、とりわけ顕著になったのは、抗がん剤についてです。すでに、十数年も前に、欧米諸国で承認された新薬が日本で未だに未承認のものが多く存在します。通常、新薬の導入や、あるいは国内での新薬開発には治験が不可欠となりますが、この期間が長いことが障壁になるのです。

 そもそも新薬の研究開発には莫大なコストを要します。当然、製薬会社もそれに要したコストを早期に回収するためには1日でも早く承認してもらい、市場に供給し、それを必要とする患者さんたちに購入してもらわなければなりません。遅ければ遅いほど、最初に開発しようとするインセンティブは働かず、欧米で承認されたものに頼ろうとする傾向になります。

 しかしその一方で、ドラッグラグのお陰で、治験段階で認められなかった副作用の存在が、先行する海外で明らかになるケースもしばしば。仮にドラッグラグが6年もあれば、市販後の副作用で混乱を招くリスクが4分の1に減る、といったデータもあるくらいです。すなわちドラッグラグによって、日本では安全な使用になるということでしょうか…。

 以前、子宮頸がんワクチンの副反応について、社会問題視されました。国自体も態度を改め、積極的な摂取は行わせず、自己判断に任せるような対応にしております。今後、新型コロナウィルスのワクチン開発および接種、普及について、どのような対応となっていくのでしょう、その判断が待たれます。

何より国民の健康と命を守ることを第一として、国民の利益および厚生を維持、向上させるため、どのような審査が必要なのか、そのスタンスを明確にしていく必要があります。 コロナに負けるな!