生前におけるデジタル終活を デジタル遺産がいろいろ波紋を投げかける時代

 生前葬を行うケースも増えてきました。そこには、生きているより早く死後を迎えたい、などというような後ろ向きな発想ではなくて、人生の一つ契機として行おうという気構えが感じられます。事実、70歳になった我が知人も昨年、この生前葬を執り行いました。古希まれなり!70歳を境にし、新たな人生の出発点として、今まで出来なかったことにチャレンジしていこうという、ある意味目出度い決意の場だったのです。

 ところで今やデジタルの時代、私たちの家庭や職場においても、パソコンやスマホ等、IT時代を反映した様々な機器が使われております。セキュリティーの関係上、個人的に暗号、パスワードを設定して、金融取引をしたり、電子書籍や動画などの有料サービスを利用しております。

 こうしたお金に関する情報を蓄積したデジタル機器の所有者が亡くなると、これらは「デジタル遺品」となります。ところが、故人がそれを家族に黙っていたり、知らせていても機器のロックを解除するパスワードや利用サービスのIDを伝えていないと、遺族はそれを確認することができません。

 資産であればまだしも、リスクの高く信用をベースに金融取引をしている場合、それがFX(外国為替証拠金)や暗号資産(仮想通貨)だったら、遺族に負担を求められるケースも出てくるでしょう。また、サブスクリプション(定額課金)など、ネット上での有料サービスは死亡を伝えないと、定期的に請求が続くことになってしまいます。

 前述した生前葬はやらなくとも、ある一定の時期になったら、デジタル管理している資産やサービスについて、リストアップしていくこと。また、ネットバンクやネット証券など子どもたちに引き継ぐものがあれば、それも併せてエンディングノートに記載すべきでしょう。いわゆる「デジタル終活」は、家族に対する心配りとして、すべき義務かも知れませんね。 コロナに負けるな!