産官学という三位一体による成長はいずこに? 歯車を円滑に回す仕掛け作りを

 今までも数十年に亘って、政府は産学連携の強化を訴えてきました。2016年に改定された日本再生戦略で、「2025年度までに、大学などに対する企業の投資額を14年度比の3倍にする」という、目標まで掲げております。その後、これが果たして、思い通りに事が進んでいるでしょうか…。

 企業が大学などとの共同研究に出資したお金は、2017年度で1361億円。これは、対14年度比で、2割増えただけです。このペースでは、目標年度まで1000億円も足りないという計算になります。
 「これじゃいかん」ということで、昨年6月に文科省と経産省がタイアップし、大学と企業の組織同士の連携を促すため、産学連携のガイドラインを改定しました。企業側からすると、「大学のスピード感が障壁となっている」との指摘が多くありますので、まずは大学内部に、企業の研究所を設ける必要性を説いております。

 また企業側に対しても、「目利き力が弱い」とか「大学の知識などを活用した研究開発戦略が乏しい」というような課題が挙げられます。大学のシーズ(研究の種)を知るためにも、さらに産学の人材交流や流動性を高めなければなりません。
 経産省によると、国内企業の総研究費に占める大学への拠出割合0.4%で、アメリカの1%やドイツの3.7%、中国の3%に比べても、かなり見落とりします。大学のシーズと企業のビジネスをどう結び付ければ良いでしょう。その研究内容や知的財産をすぐに把握して、連携先となりそうな企業とマッチングさせる、そうした働きかけも重要です。

 神奈川の中南部の湘南エリアには、多くの民間の研究施設や大学が立地しております。そしてこのエリアには、国家総合戦略特区の網がかぶせられています。特区の意味するところを、国も自治体も再認識して、「企業から大学への積極投資」「大学発スタートアップの創出」「行政による産学連携のプラットフォーム作り」等、産・官・学共同の深化も同時に図らなければなりません。 コロナに負けるな!