少子化が進行する中で日本の守りは大丈夫? 自衛隊の担い手不足が顕著に

 自衛隊の採用は、幹部を養成する「幹部候補生」、部隊の中核となる「一般曹候補生」、そして任期制の「自衛官候補生」などに分かれます。この中で、採用時の人数が最も多いのが、高卒者が中心の「自衛官候補生」です。
 ところが、この「自衛官候補生」の採用数は、2014年度以降6年間、計画が未達成です。一昨年度は、陸・海・空自衛隊全体の7割に留まってしまっております。確かにここ数年、雇用を増やしたい民間企業に人材が流れた面があるものの、やはり採用難の根源的な問題は少子化です。

 自衛官の採用対象年齢は、つい最近まで18~26歳まででした。この年代の人口数は1994年をピークに減少に転じ、2019年には1133万人と、3割以上減りました。自衛隊の応募者数も今では8万人程度で、90年代のピーク時から半減しております。

 しかし人口が減っても、守るべき国土が狭くなったわけではありません。むしろ、昨今の中国の海洋進出が活発化し、周辺海域に様々な脅威を与えているのは周知の通り。尖閣諸島など、万が一に備えて周辺海域に張り付かせる自衛官を増やさざるを得ない状況です。

 米軍は過去半世紀で、女性比率を2%から16%に引き上げました。防衛省内でも、こうした取り組みを参考にしながら、自衛官の女性登用に門戸を開いている最中です。21世紀に入って、益々自衛隊に対する国民の信頼度が高まっております。

その流れに敬意を表しつつ、誰かが守ってくれるだろう、という他力本願的な考え方を改め、今一度、日本の防衛に関して国民的な議論が必要な時期にきているのではないでしょうか。 コロナに負けるな!