教員採用試験 年齢制限の撤廃 教育の質を高めるための民間人登用

 教員の採用試験は、教員公務員特例法に基づいて、教育委員会の教育長が行います。したがって、試験の内容や対象年齢は各自治体によって異なります。

 最近は採用試験の年齢制限撤廃する自治体が増えており、文科省の調べによると、教職員の人事権を持つ都道府県及び政令市、さらに権限を委譲された一部の市合計69のうち、41の自治体は年齢制限を設けておりません。
 その背景には、今後ベテラン教員が大量に退職期を迎えることとなる一方で、受験者数が伸び悩んでいる事情があります。2018年度の小学校教員の競争倍率は2.8倍でして、統計をとり始めて以来最低の数値でした。年齢制限をなくして、教員免許を持つ会社員や、子育てのため学校を離れた元教員たちを幅広く採用して、何とか教員の質の確保を図りたい思惑が垣間見られます。

 もちろん年齢に関係なく、意欲的な人に受験してもらって、多様な人材を得ることは好ましいことでしょう。学生時代に教員免許を取得したものの、民間企業などに就職した中年層以上に、教員の門戸を開くのは意義深いと思えます。

 長年、企業で働いてきた経験を活かし、子どもたちにお金を稼ぐ大変さや、社会の荒波を乗り越えていく術について話すことは効果的です。また、児童生徒だけが対象ではなく、企業の視点で学校の非効率な業務を見直すことができれば、それはそれとして働き方改革につながっていくものと思われます。

 ただここで問題なのは、そうした人材を受け入れる体制をしっかり整えることではないでしょうか。せっかく採用しても、職場で孤立してしまえばその能力を十分活かせないことになります。したがって、取り敢えず複数の民間出身者を1つの学校に配置したり、民間出身の校長の下で働いてもらったりして、教育現場の雰囲気に馴染むことが先決でしょう。

 教育は、教える側と教わる側の双方にとって、よりベターな環境にすることが肝要です。まさに永遠のテーマかも知れませんが、今後の展開に期待します。 コロナに負けるな!