新たな金融商品 社会貢献債の発行がしやすくなる!

 「社会貢献債」すなわちソーシャルボンドと言います。これはインフラのバリアフリー化や、教育および医療など社会課題の解決につながる事業向けに発行する「債券」です。既にご案内の通り、新型コロナウィルス感染症の対策に資金を充てる「コロナ債」も、ソーシャルボンドの一種となります。これは、環境分野に使途を絞った「グリーンボンド(環境債)」などと併せて、「SDGs債」と呼ばれています。

 この夏に向けて、金融庁を中心としてソーシャルボンドの発行拡大に向けた指針を策定する予定です。ここで焦点となるのは、具体的にどのような事業がソーシャルボンドの使途として適切であるかということ。また発行企業が投資家に提示する事業の数値目標についても、その目安を例示して、格付け会社の判断の参考にしてもらわなければなりません。

 既に発行基準を巡っては、国際資本市場協会(ICMA)なる組織が、2018年に世界標準の「ソーシャルボンド原則」を定めました。この原則に従えば、調達した資金の使途として、インフラや教育、住宅などの例を示しつつ、発行体が事業の目的を策定することや、資金を適切に管理することなどを求めるようになっております。

 ただ同原則では、実務的な細部にわたる適用方法は定めておりませんので、発行体の事業が調達した資金の使途の適正化はもとより、進捗状況につき、確認する方法については、やはり指針に盛り込むべきでしょう。今後、持続可能な社会を目指すという機運は世界的に高まっておりますので、債券の信頼度を高める必要があります。

 これまで国内では、独立行政法人などが出す「財投機関債」が発行の過半を占めておりました。民間企業などの社債の発行は3割程度と未だ少ないので、今後ソーシャルボンドがどれだけ資金調達を可能にするのか注視していきたいです。 コロナに負けるな!