小児やAYA世代へのガン不妊治療 助成によって次世代へ命をつなげよう!

 抗がん剤や放射線の治療は、卵巣や精巣にダメージを与え、不妊になる恐れがあることで知られています。このため、若いがん患者、とりわけ小児やAYA世代(思春期・若年成年を指す)の患者さんたちの妊娠や出産の可能性を残すために、ガン治療前に卵子や精子、受精卵を凍結して保存する方法が有効とされています。卵子の採取が難しい女児たちには、卵巣組織の手術で採取して凍結する試みも始まっているようです。

 国は今年度から、こうした事前に卵子や精子を凍結保存する対策について、費用の助成をスタートしました。1回の助成の上限額は、受精卵の場合は35万円、卵子の場合は20万円です。これで十分とは言えないでしょうが、今後、1人当たりの助成回数や、対象年齢などの具体関な制度設計が妥当か否かも、絶え間ぬ検証を加えていく必要があると思います。

 ところで、小児とAYA世代では、毎年2万3千人が新たにガン患者として診断されます。全ガン患者の2%に相当します。仮にガンを告知されてから、凍結保存について決断するか否かの選択をするまでの時間的余裕は長くありません。患者さんや親は、ガンを告知されたショックと、将来子どもを持てない恐れと向き合うことになります。

 当然、そうした親子の心に寄り添いケアできる、丁寧な情報提供とカウンセリングは必須事項です。その担い手として専門的な心理士を育成中とのことですが、今後助成制度が進めば、凍結保存のニーズは高まるでしょう。したがって、人材育成は急務の課題です。

 また、凍結保存の期間と妊娠率との関係や、治療成果についてのエビデンスもさらに追及していかねばなりません。さらに、ガン治療そのものへの影響は未だ解明されておらず、凍結保存することで却ってガン治療が遅れてしまい、生存率が下がるリスクも指摘されております。データの収集ときめ細かな分析を求めていきたいです。  コロナに負けるな!