新型コロナウィルスの不安  死生観に変化あり

 コロナの第3波による予想以上のうねりによって、特に感染者が多かった首都圏を中心に、墓参りする人が増えているようです。寺離れや、葬儀の簡素化の流れで起きている「揺り戻し」の動きとも言えるでしょうか。今まで元気であった人が、コロナによっていきなり命を失ったケースが散見され、それを目の当たりにするにつれ、人々の死生観にも変化が表れております。

 はかない命とは言うものの、死と生は隣り合わせ。生きることへの執着心は、またこれありで、「困ったときの神頼み」と言うように、祈りの大切さが再認識されております。祈ることによって、少しでも不安が解消され、心が和らぎ落ち着きます。ご先祖様のお墓に向かって手を合わせて祈ると、今ここにあることに感謝する念が湧いてきます。

 また他方で、供養の思いを託す「墓参り代行」も急増しております。お墓が遠くにあって、なかなかお参りすることが出来ない人に対して、そのお墓を清掃し花や線香をあげる代行業務ですが、例年の2倍以上だとか…。あの「ふるさと納税」の返礼品として、墓参り代行サービスを扱う自治体も100近くあります。その寄付額は、前年より何と4倍も増えました。

 お寺はお寺で、多くの人々に死者を思う弔らいの仕事に意味があると思ってもらえないと、存続は難しいと危機感を強めます。全日本仏教会が昨年8月に行った実態調査でも、寺院や僧侶に求める役割について、「不安な人たちに寄り添ってもらう」ことが急増しております。

 かつてから、お寺や神社は私たちの心の拠り所であり、また憩いの場でもあります。さらに地域との連携を深め、その存在価値を高めるとともに、私たち自身の生死に向き合う大切さを再認識していきたいと願っております。 コロナに負けるな!