日本はウイグル問題に正面から向き合うべし!

 ウイグル問題とは何なのか…。我が国政府はこれに関しては欧米と違ったスタンスを取っているようにも見えますが、実際、相変わらずの対応の曖昧さが却って国際社会の不信と批判を招くのではないかと心配です。

 そもそもウイグル自治区を中心に暮らしているトルコ系民族は、その大多数がイスラム教を信仰しております。2018年時点では、その自治区内に住むウイグル族の人口は約1116万人といわれ、過去長い歴史の中では、中国語とは異なるウイグル語で生活をし、アラビア文字を基にした文字を使っておりました。そして今もなお、イスラム教に基づく社会、文化を形作り、独自の音楽や舞踊も持つ民族なのです。

 ですから、今まで中国の人口の9割超を占める最大民族である、漢族からすれば、ウイグル族は宗教、文化的には全く異質な存在として映ります。かつて清朝時代に制服された後、独立宣言をしましたが、ほどなく挫折して中国共産党政権下に組み込まれます。しかし、この独立志向は85年以上経た現在に至ってもくすぶり続け、漢族支配に対する抵抗の底流となっているのも事実です。

 実際にこの自治区内で再教育が実施されてきたのか、また強制労働がされているのか、あるいは欧米の批判の的となっている「ジェノサイド(集団虐殺)」が繰り返し行われているのか、その信憑性はなかなか判別しづらい面があります。ただ動員の様子や、ウイグル族の証言などがネット上で拡散されているので、私たちはそうした場面を通じて垣間見ることは出来ます。

 亡命ウイグル族によると、イスラム過激派対策として設置された「職業技能教育訓練センター」なるものは、まさに再教育施設であり、その施設内では動物のような扱いを受けたとコメントしております。欧米諸国は、これを「強制収容所」であると主張し、2019年発表の米国人権白書でもその収容者は80~200万人に上ったと指摘しております。

 さて、我が日本。何より真実は1つです。経済的に見て、隣国である中国との連携は不可欠ですので、目先の利益を優先すべきか、あるいは人権に関して精神的な支柱を立てて、相手が誰であろうが怯まず追求していく姿勢を貫くべきか、今まさに苦渋の選択が迫られているのではないでしょうか。

 どっちつかずの態度は、双方から信頼されなくなります。これを肝に銘じて、政権運営を行っていかねばならない、日本政府の試練とも言えましょう。 コロナに負けるな!