肩身の狭い1円玉 国内流通の374億枚はいずこへ…

 昨今、金融機関の窓口で大量の硬貨を預け入れる際に、手数料がかかるということをご存知でしょうか。1円や100円といった硬貨の種類に関係なく、「101~500枚で550円」が平均的な相場となっております。この結果、大量の1円玉を預けても全て手数料に取られてしまって、預け損という状況になりかねませんね。

 現時点の現金自動預け払い機(ATM)は、硬貨の受取りを1回あたり100枚までとしております。取り敢えず100枚までは手数料は無料。これより多いと、窓口に持ち込む必要があり、上述したような手数料がかかります。その後は、500枚増えるごとに「550円」ずつ上がることになるのです。

 1円玉を多く扱うような業者や、あるいは賽銭箱を扱う神社仏閣、もちろんコツコツ貯金箱に貯める市民にとっても、それを銀行に持ち込んだら手数料が掛かってしまうため、大きなダメージと言わざるを得ません。一方、金融機関側にも言い分があって、硬貨に異物が混ざっていないかをチェックする確認作業に手間暇が掛かるとこと。1円玉だろうが、500円玉だろうが、数える手間は一緒なので手数料も一律にせざるを得ないと言います。

 金融機関も厳しい経営状況の中、生き残りをかけて大手業を中心に様々な手数料を導入する動きが垣間見られます。口座管理(年間1320円)や、紙の通帳発行(1冊当たり1100円)などがそれです。これだけ預金金利が安いのに、と預金者にしてみれば恨み節も上げたくなりますが、今後、仮想通貨やデジタル通貨が公的な形で進展していくと、さらに銀行離れが進展していくこととなるでしょう。 コロナに負けるな!