失業率の悪化 非正規雇用のセーフティーネットの強化を!

 新型コロナの感染拡大で、厳しい雇用情勢が続いております。昨年1年間の完全失業率の平均値は2.8%と、その前の年より0.4%悪化しました。そして先月までの東京や大阪など大都市圏における緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、労働市場の先行きにはさらに不透明感が漂っております。

 従来から、雇用のセーフティーネット(安全網)と言えば、失業保険がそれに該当します。これは、雇われて働いていた人が失業した場合、次の仕事が見つかるまでの所得を保障する制度です。しかし、実際失業している中で、これを受給できている割合は3割に満たない状況。なぜなら、非正規雇用の人が対象から漏れやすいからです。

 そもそも雇用保険は納めたことを条件に給付されます。雇用保険の加入期間は、例えば倒産や解雇による失業の場合、直前の1年間のうち6か月間加入して保険料を納めていないと、受給の要件を満たせません。また受給できたとしても、加入期間が短いと受給期間も短くなるので、失業している間に給付が終わるケースも目立ちます。

 そんな中で、雇用保険を受給できない失業者向けには、「求職者支援制度」があります。無料で職業訓練を受けられる制度ですが、実際の利用状況は低調です。今一歩進めて、失業手当を受給できない人に対しては、職業訓練を条件として生活費を支給すべきではないでしょうか。

 さらに、就労支援においては、カウンセリングをもっと充実させる必要があります。これまでに得たスキルでどんな仕事が可能であるか、きめ細かく相談に応じることが欠かせないと思われます。

 これからコロナ禍を機に、雇い止めしやすい非正規雇用に対し、企業が依存する傾向が一段と強まるのではないでしょうか。何しろ早急に、非正規雇用のセーフティーネットを強化すべき時です。