土地取引規制の強化 安全保障政策に直結する課題

先の通常国会にて、自衛隊基地や原子力発電所の周辺、および国境離島などで土地の利用を規制する法律が成立しました。とりわけ中国を念頭に、外国資本が日本の安全保障上、重要な地域の土地を買い、不適切な目的で利用しないようリスクを減らすため、この新法が策定されたのです。

ここ10年来の課題でありましたが、やっと一定の方向性ができて胸をなでおろしている人も少なくないと思われます。確かに今まで、外資により基地周辺の土地を買ってトラブルを起こした事例は確認されていないものの、万が一、基地や原発周辺の土地を使って電波妨害や、ライフラインの寸断を試みれば、我々の生活に危険が及ぶ可能性は否定できません。

過去にも北海道において、航空自衛隊基地などの近くの森林を中国資本が購入したことがありました。また長崎県対馬市では、10年前以上から海上自衛隊拠点の隣接地などで韓国資本による土地購入が相次いでおります。この度の新法では、重要と思われる拠点を「注視区域」に指定して、土地の利用者から報告を求めたり、現地調査をしたり、その行為が可能になること。さらに重要な拠点を「特別注視区域」として、土地の売買に際して事前の届け出を義務付けることになります。

ただ、この新法は2022年度から運用をスタートすることになりますが、土地の取引そのものを禁ずるものではありません。また、一方では土地取引に関連して、私権制限につながる危険性も指摘されております。その他、対象区域の指定基準や罰則適用など、法を執行する上で具体的に示していく必要があります。何より、新法を使って何をしようとするのか…。安全保障の観点から、さらに政府による丁寧な説明が欠かせないでしょう。 コロナに負けるな!