デジタル給与の導入急ぐ 会社が社員の決済アプリに入金する日は近いぞ!

 日本のキャシュレス決済比率は2017年段階で21%程度と、韓国の98%や英国の56%など、先進諸国に比べて遅れていると言われてきました。その対策の1つとして取りざたされてきたのは、デジタル給与の導入です。

 実現すれば、給与は企業から従業員のスマホのアプリに送金されます。その代表格は、「楽天ペイ」や「ペイペイ」、「ラインペイ」などです。これにより、給与を引き出すためにわざわざ現金自動預け払機(ATM)に行く手間が省けるほか、買い物や公共料金の支払いなどもスマホでやりやすくなります。また、銀行口座の開設に手間がかかる外国人労働者のメリットも多くなるだろうことが予想されます。

 ただ、その安全性や補償が、銀行と同等のものなのかと問われれば、まだ心もとないのが現実です。何より銀行口座が給与支払いの手段として認められているのは、金融機関の経営が行政当局に厳しく監視されているから…。銀行に対し、本業以外に手を出して経営破綻するような事態が起こらないよう、業務範囲が制限されております。

 その一方、スマホの決済アプリを提供する、いわゆる「資金移動業者」には、銀行のような業務範囲の規制はありません。そもそも、スマホ決済アプリは主に少額の決済や送金において利用されており、銀行業務みたいな厳しい規制を課すことが妥当と言えるか、難しい選択を迫られるでしょう。

 今後、企業サイドにとっては銀行口座の振り込みによる経費精算よりも、振込手数料を安く抑えることができるため、スマホアプリを活用する動きが活発化してくると思われます。それが進行すれば、銀行経営もまた新たな業務展開が求められてもきましょう。 

 何より給与は生活の命綱です。銀行口座と同様の安全性や利便性が確保されるよう、十分な議論を尽くし、制度化に向けていくことを注視していきたいと思います。 コロナに負けるな!