タリバンは信用できる政権になり得るのか? 過去の恐怖政治の再来にどう向き合うべきか…

去る15日、アフガニスタンの反政府勢力タリバンが、首都カブールを制圧して事実上、政権を奪取しました。今まで米国バイデン大統領を中心に、計画的に米軍が撤退することを進めてきた結果が、タリバンの勢力拡大につながったと思われます。

米国の世論も風見鶏的でして、7割近くがアフガニスタン撤退を支持するものでしたが、これほどまでに事態が急展開すると、バイデン大統領に対する批判が殺到し、支持率は急落しております。確かに、今までのアフガニスタン・ガニ政権の統率力の欠如が、こうした結果を招いたものとしても、今回のバイデン大統領の出口戦略が甘すぎたと見られても仕方ありません。

思い起こせば、1996年から2001年の5年間は、まさにタリバン政権下での圧制でした。特に女性は学校や大学に通うことは許されず、男性の付き添いや、体や顔を覆う「ブルカ」なくして公の場にでることすら出来ませんでした。偶像崇拝は排除され、ことごとく仏像や遺跡は粉々に破壊されたことは記憶に新しいでしょう。

既に、日本大使館は閉鎖して、一時的にしろアラブ首長国連邦・ドバイに大使館員を避難させております。とところで今後、我が国を含め、そして西側諸国はこの政権とどう向き合って行けば良いのでしょうか?米国は国内にコロナを抱え、もはや単独で他国に長期介入する余力を持ち合わせていないでしょう。既に、米国の介入がなければ国際秩序が乱れるといった思い込みを捨てる時期かも知れません。

一方、中国やロシアは、テロ組織や過激派の流入を警戒しつつも、タリバン政権の承認には前向きです。特に、中国はアフガンの復興を後押しして、米軍撤収後の中央アジア地域での影響力確保を狙っております。

当面タリバン側は平静を装い、かつての政権時代とは異なる対応に出てくると思われます。しかし、この姿勢が一体いつまで続くのでしょう。タリバンがいくら「20年前とは違う」と主張しても、そもそもアフガニスタン国民が、それを額面通り受け止めることは皆無と思われます。

これが中東情勢に飛び火してくれば、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の安定が失われかねません。中東に原油9割を依存する日本を直撃することも必至です。この地域での新たな秩序作りに、民主主義陣営がどう関与していけばよりか、我が国も責任ある立場としての明確なスタンスを示さなければなりません。 コロナに負けるな!