特発性正常圧水頭症(iNPH)を見逃すな! 治せる認知症として脚光を浴びる

進行すると有効な治療が難しいとされる認知症。しかし、その中でも手術などで治ったり、症状が改善したりするケースがあります。それが、「特発性正常圧水頭症(以下、iNPHと言う)」です。これは老化やアルツハイマー型の認知症と間違えられることが多く、日常の生活上、行動や様子の変化が見られた場合には、これを疑ってみてほしいと、医療関係者も指摘します。

このiNPHは、脳の中央にある脳室に脳を保護する「脳髄液」が溜まり過ぎることで発症します。健康な人でも、適度な量の髄液が脳内を満たしております。iNPHは、その髄液の量が多すぎて脳を圧迫することが原因とされ、運動機能や認知機能などに障害が出る原因不明の病気です。

したがって、髄液を抜いて圧迫を取り除いてあげる手術をすれば、その症状は改善することが多いとのこと。なお、その患者数は、潜在的に65歳以上人口の1~2%を占め、認知症患者の10%にあたる80万人程いるのではないかと予測されております。

iNPHで最も典型的な症状は歩行障害で、すり足になったり、歩幅が狭くなったりします。ただ、年齢を重ねると、足腰の筋肉が落ちたり、関節の可動域が狭まったりして転びやすくなるため、iNPHなのか老化による運動機能の低下なのか、判別が難しいのも事実です。

そこで大切なのは、脳のCTを撮ることでして、その画像を見ると、アルツハイマー認知症に比べて脳の中央にある脳室が大きい場合はiNPHの可能性が大となります。治療は外科手術でして、脳内に流れる髄液の量を調整できるようにするため、3センチほどのバルブ機を腰や頭に埋め込み、カテーテルで髄液を腹腔などに流す手法が有効とされます。

歩行障害や認知機能の低下が現れたら、まずはこのiNPHも疑ってみましょう。本人のみならず、いかに周囲が気付いてあげられるかがポイントですね。 コロナに負けるな!