ケアリーバーの退所後の実態に迫る

虐待や貧困、親との死別などを理由に児童相談所に保護され、児童養護施設などで生活を送っている子どもたちは、全国に4万5千人ほどいます。一定の年齢に達した際に、子どもたちは施設から離れなければなりませんが、その後どのように暮らしているのでしょうか。

その対象者のことを「ケアリーバー」<保護(ケア)を離れた人(リーバー)の意味>と呼び、原則18歳で自立を求められます。中には22歳を迎える年度末まで期間を延長できる仕組みはあるものの、その多くは高校卒業とともに、施設などを離れます。

以前、厚労省が行った聞き取り調査によると、施設などを出た直後の進路は、就職および就労が54%で、進学・通学は36%でした。進学が少ない背景には、学費や生活費の不安のほか、周囲に進学した施設出身者がいなくて、自信を持てないことがあるといいます。また進学したとしましても、その3割近くが中退してしまうとのこと。生活費のためにアルバイトを掛け持ちして学業に手が回らなくなってしまうことや、あるいは虐待の経験が心の傷となって、周囲とうまく関係も築けない学生も多いと聞きます。

生い立ちに関係なく、希望する教育を受けられることは当然です。まずは自立後も施設などに助けを求めやすい仕組み作りが必要と思えます。また自立前から、金銭感覚や一人暮らしの注意点などを学ぶ機会を設けたりして、孤立防止につなげなくてはなりません。

18歳といっても、まだ子どもであって、なお家庭の基盤も弱いという2重に不利な状態に置かれています。退所後の暮らしぶりの把握や、生活状況に応じた的確な支援など、対象者の出身施設やケアリーバーの生活拠点となる自治体の協力は不可欠でしょう。何より寄り添うこと、行政サイドとして支援情報の周知や、ケアリーバーが自分の意思で相談先や進路を選べる環境を整え、自立後を見据えた事前のサポート体制も求められます。 コロナに負けるな!