アフガニスタンからの邦人救出 少数にとどまったのは何故か…?

去る8月31日、日本政府はアフガニスタンからの邦人や現地協力者を退避させるため、自衛隊機に撤収命令を出しました。その時点で、現地には邦人と最大500人のアフガン人協力者が残っていたのです。既にタリバンが首都カブールを制圧し、外国人や協力者に危険が及ぶ恐れがありましたので、希望者を国外へと退避させるのが国家の使命という判断でした。

ところがフタを開けてみると、実際に運べたのは邦人1名と、アフガン人協力者14人だけ。米国は12万人、英国は1万人、ドイツやフランスは数千人、韓国でさえ390人の輸送に成功したのにも関わらずです。何故、我が国はここまでしか出来なかったのでしょうか…。

何より派遣を決めるのに時間がかかり、自爆テロが起こる前に運べなかったことが挙げられます。日本以外の主要7か国は、8月15日前後に着手しておりました。それは日本の法的な制約が起因します。

現時点で自衛隊が邦人らを救うには2つの方法があります。1つは、騒乱が起きた国から外へ連れ出す「輸送」。もう1つは、場合によっては武器も使いながら救出にあたる「保護」です。今回は安全に実施できると認められる「輸送」だけの対応に留めることとなりました。したがって、空港外の活動は危険と見なされ、自衛隊の任務からはずれ、自衛隊は空港外の市街地に残る邦人や協力者を運べることが出来ませんでした。

それならば何故、救出を含む「保護」を適用しなかったのでしょう。それを実施するためには、自衛隊法に規定するように相手国の同意と連携が求められます。タリバンによる統治の見通しは不透明で、同意を取り付けるべき明確な相手が存在しなかったのでした。

しかし、自衛隊活動の制約があるのはやむを得ないとしても、最大の任務とも言える邦人ならび関係者の命と安全を確保することは至上命題です。今回の結果については大いなる教訓としなければなりません。昨今、世界各地でテロや紛争が頻発し、邦人の犠牲者が出る事例も相次いでおります。危機に直面したからでは間に合うわけがないではありませんか。

自衛隊にどこまでの活動を任せるべきか、与野党の枠を超え、日本社会全体で危機対応を考え、行動に移すことが求められます。 コロナに負けるな!