私たちの森林を守れ! 日本版ナショナル・トラスト法の早期制定を目指す

 最近、野生のクマやサル、あるいはシカなどが山から下りてきて、人目に触れるケースがしばしば聞かれるようになりました。今まである程度守ってきた、人と動物との侵してはならない境界線を双方が踏み越えてしまった感がします。これは取りも直さず、森林開発が進み(時折、山火事も発生)、そこで生殖している動物たちが行き場を失い、ひいては絶滅危惧種になりつつある証左ではないでしょうか。

 私たち人間もまた自然生態系の一部であることに変わりなく、また豊かな自然なくして豊かな社会の存続はないと言えましょう。ところが、戦後数十年の間に、大規模な開発によって原生林の多くは伐採され、自然海岸は埋め立てられ、河川はコンクリートの護岸やダムによって本来の姿を失ってしましました。今ある私たちが、将来この国に生きる世代のためにも、豊かな自然を残し、あらゆる生物と共存する社会を再構築していかねばなりません。

 そのために見習うべきお手本は、英国の「ナショナル・トラスト法」ではないかと思います。そもそも「ナショナル・トラスト」とは、国民による信託を意味し、トラスト地は国民が信頼して預ける財産を意味します。英国では、トラスト地に指定されれば、永久に手付かずのままに守ることが出来ます。仮に公共事業のための土地収用であっても、国はトラスト地を取り上げることは出来ない仕組みです。

 また、当該トラスト地は税金が掛からず、土地を移譲することや寄付に対しても、税金の控除が受けられます。そのため、市民・国民の信頼も厚く、「永久に守られるならば自分の土地を託そう」、「自分の財産を未来へ残すためにトラスト財団に寄付したい」などと、多くの寄付が集まるようです。
 現状、日本では幾つかのトラスト団体が取得した土地には、不動産取得税や固定資産税が課せられ、トラストすればするほど税負担も増えてしまいます。また譲り受けたトラスト地に対し、土地収用法が適用されて公共工事がスタートした事例が多くあります。

 今残されている森を守り、これ以上自然を破壊させないためにも、貴重な土地が簡単に収用されないよう、「日本版ナショナル・トラスト法」の制定を目指すべきではないでしょうか。私も大変 微力ながら、神奈川県のトラスト財団の会員ですが、まさに市民の力こそが自然を守る原動力です。国政に復帰させて頂き、こうした運動にも尽力していきたい、そんな思いを新たに抱く今日この頃でした。 コロナに負けるな!