所有者不明の土地が多くはびこるニッポン  藤沢や寒川でも空き家対策に支障が…

知っていますか?今や、我が国の土地の2割に当たる約450万ヘクタールが所有者不明であることを…。これは、九州プラス沖縄に匹敵するくらいの面積です。しかも林地は、その3割近くが所有者不明の状態です。

こうした状況を放置すれば、公共用地や東日本大震災のような災害時の復興用地の買収に手間取るだけではなく、土地の管理の不備で、土砂の流出をまき起こすといった問題も生じてきます。この状態を受けて、先の通常国会において、相続登記を義務化する「改正不動産登記法」などが成立しました。2024年までには施行される予定ですが、ただ所有者が分かっていない土地は広大で、どれだけ効力を発揮できるかは未知数です。

所有者不明の土地が増える理由として、相続や住所変更などの際に登記申請が行われないことが挙げられます。国交省の調査では、相続登記の未了が3分の2を占めたとのこと。その背景には、人口減少によって地方を中心にして、身近に相続人がいないケースが少なくないうえ、バブル崩壊以降の土地の低迷で、土地を相続するメリットが薄れていることにあるようです。

今まで相続登記は任意でした。それを義務化することで、相続人に対して確実に登記を促すことが求められます。法改正により、実効性を担保するために、相続を知ってから3年以内の登記申請を怠った場合には、10万円以下の過料を科す罰則も設けられました。ただし、相続が数回にわたり、相続人が何十人に上るといった申請が難しい「正当な理由」がある場合は、例外扱いされます。

そして登記義務化と並ぶ目玉として、相続で取得した土地を手放し、国庫に帰属させることを認める制度も新設されます。とりわけ利用価値の低い原野や山林は、市町村に寄付を申し出ても受け取ってもらえないケースがほとんどです。したがって、相続登記がされずに所有者不明となりますので、相続人が10年分の管理費、数十万円を支払えば、国庫に帰属してもらえることが可能となります。

一連の改正法により、相続登記は過去に遡って義務化されます。今後、高麗者の増加に伴って相続の機会も増えてくるでしょう。何より土地は、個人の財産であると同時に、国土を形成する公共財でもあります。国として地方自治体と連携を密にしながら、いったん国庫に帰属した土地の活用策を検討すべきでしょう。

なお、藤沢や寒川エリアでも、随分と空き家が目立つようになりました。中には壁が崩れ落ち、草木がぼうぼうで、近隣住民から危険だとの苦情がそのたびに行政に寄せられます。今回の法改正が、どれほど不動産の新陳代謝を進めることができるか、その真価をしっかり見極めていきたいと思います。