予算編成の危うさPart① 相変わらず縦割り行政でのダブつき

これから年末に向け、来年度予算の編成に向けて、各省庁がしのぎを削りある場面が見られることとなります。まあこれは年中行事みたいなものですが、8月に締め切られた各省庁からの概算要求の規模は過去最大になりました。

ご案内の通り、すでに100兆円を超える要求規模が常態化しており、昨年度の105兆円よりもさらに3兆円も膨らんでおります。その膨張の背景には、高齢化に伴う社会保障関係費の自然増、とりわけ「団塊の世代」が来年度から75歳以上になり始め、医療や介護などの費用が増大します。また、国債の償還や利払いに充てる国債費は、30兆円超と過去最大を更新します。

そもそも予算編成の仕組みは複雑で、一般的にみて分かりづらいのが実情です。もちろん国によって違いがあるものの、先進諸国の中では各年度の予算は中期的な財政計画に基づいて作成されるケースが多いようです。例えば、数年間にわたる歳出総額の上限値を決めてから各分野に予算を配分する方式を採用している国や、その予算配分の妥当性につき、公共性や効率性など6項目の評価基準で判断する仕組みを採用する国もあります。

ただ我が国において残念ながら、こうした歳出抑制の仕組みがないうえ、しばしば経済対策を称して巨額の予算が組まれることが多いのが実情。昨年度も、コロナ対策として61兆円規模の補正予算が組まれました。日本は相変わらず、予算編成における単年度主義を掲げ、補正予算という抜け道がムダな歳出削減につながっていると言っても過言ではありません。

新たな予算枠の設定に関しては、何より各省庁が今までの政策を査定しつつ、スクラップ&ビルドすることが前提です。デジタル化などを重視するのは妥当でしょうが、中にはそれにかこつけて、便乗とも取れる要求が混ざることもよくあり得ます。

先進国で最悪の財政赤字を抱える日本は、より効果的な予算配分の仕組みを検討しなければなりません。そして前例踏襲主義による硬直的な予算編成を排除し、より具体的な予算配分の方向性を打ち出せるよう、政府に対して粘り強く求めていく所存です。 コロナに負けるな!